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薬種商の館 金岡邸

(やくしゅしょう やかた かなおかてい)

薬種商の館 金岡邸、通称金岡邸は、富山県富山市新庄町に位置する歴史的な邸宅・資料館です。この館は、江戸末期に薬種商として成功を収めた金剛寺屋又右衛門を祖とし、その後代々富山県の実業界に貢献してきた金岡家の旧邸です。 現在、母屋・新屋・土蔵・塀および門が国の登録有形文化財に指定されており、富山の薬業史を学べる施設として一般に公開されています。

邸宅の建築と文化的価値

建物の特徴

金岡邸の母屋は幕末期に建てられた瓦葺きの木造2階建てで、明治初期の薬種商店舗の姿を復元しています。表から「ミセ」「通りニワ」「座敷」と続く町家の典型的な構造が特徴です。

大正期に迎賓用として増築された新屋は総檜造りで、大正ロマンを感じさせる豪壮な設計が施されています。また、明治期に建築された土蔵には薬業関連の貴重な資料が保管されています。

展示内容

館内には薬業に関連する品々や文献が展示され、薬種業の歴史とともに製薬の過程を分かりやすく学ぶことができます。中でも、柳行李や売薬版画、懸場帳といった歴史的資料が特に注目されています。また、中国科学院から贈呈されたジャコウジカの剥製も展示されており、希少価値の高い見どころとなっています。

施設概要

立地

金岡邸は富山地方鉄道本線の東新庄駅から徒歩5分、富山市中心部から約4kmの位置にあります。邸宅は旧北陸街道(現在の富山県道177号線・316号線)沿いにあり、新庄町はかつて加賀藩領の宿駅として発展しました。 邸宅の近隣には富山市立新庄小学校や歴史的な寺社が多く集まる地域で、観光にも適した立地です。

開館情報

金岡家の歴史

金岡家の起源は、江戸末期に薬種商を営んでいた金剛寺屋又右衛門に遡ります。2代目の金岡又左衛門(1864年~1929年)は県会議員や衆議院議員として政治活動を行う一方、富山電灯を設立し北陸初の電灯点灯を実現しました。彼はまた、治水事業や教育事業にも尽力し、富山県の経済基盤を築きました。

その後、2代目以降の金岡家も薬業や金融、教育分野で多大な貢献を残しており、5代目金岡幸二は富山国際大学の創設者、6代目金岡祐一は薬学者として活躍しました。

歴史的な出来事と逸話

金岡邸には、明治天皇が巡幸の際に立ち寄ったという記録や、近衛文麿が訪問した際の揮毫など、多くの歴史的エピソードがあります。また、館の入口に掲げられた「丹霞堂」という店名の扁額は、書家・日下部鳴鶴によるものです。

映画のロケ地としての活用

2018年公開の映画『散り椿』の撮影が金岡邸で行われたことでも注目を集めました。この映画の公開をきっかけに、館の美しい景観と歴史的価値が改めて評価されています。

Information

名称
薬種商の館 金岡邸
(やくしゅしょう やかた かなおかてい)

富山市周辺・八尾

富山県