富山県 » 富山市周辺・八尾

白えび

(しろえび)

富山湾の貴婦人

特徴的な地形と、異なる性質の海水が重なる水産資源豊富な富山湾。深海に生息する透き通った淡いピンク色に輝くシロエビは「富山湾の宝石」と称され、漁が成り立つほど漁獲されるのは全国でも富山だけで、主な水揚げ漁港は新湊漁港、岩瀬漁港の2港。ブリ、ホタルイカとともに「富山県のさかな」に指定されてもいる。かつては、殻ごと干しエビにして出しを取るために使われることがほとんどであったシロエビ。冷凍技術の向上によりむき身にすることが容易となり、また鮮度を保つことが可能となったことで、とろりとした食感と上品な甘さをもつシロエビの美味しさが見直された。飲食店では刺身や寿司ネタとして人気だが、家庭では「白えびのかき揚げ」も親しまれている。カラッと揚がったシロエビはサクサクで香ばしく、独特の甘みを堪能できる。ほかのエビと違い火を通しても赤くならないという点も特徴のひとつ。

シロエビの漁期は決まっており4~11月ではあるが、水揚げされた後、新鮮なうちに急速冷凍されるため一年中楽しむことができる。そのため、家庭や飲食店でも季節を問わず作られている料理となっている。

富山湾には、神通川や庄川が流れ込む地域に「藍瓶」(あいがめ)と呼ばれる海底谷があり、そこでシラエビが大量に集まるため、商業的な漁獲が行われています。

生のシラエビは傷みやすく、富山湾以外ではまとまった量を漁獲することが難しいため、以前は富山県周辺でしか入手できませんでした。しかし、21世紀初頭になると、流通網や冷凍技術の進歩により、生のシラエビも一部地域で入手可能になりました。シラエビの殻をむくのは難しい作業でしたが、一度冷凍することで、誰でも比較的簡単にむくことができることがわかり、食材として再評価されるようになりました。シラエビはその透明で美しい姿から「富山湾の宝石」とも称されています。

シラエビは出汁(だし)によく使われており、特に素麺の出汁と一緒に食べられることが好まれています。また、かつてはサクラエビの代用として食紅で着色し、干物にされていました。現在も干物として販売されていますが、一般的には「白えび」と呼ばれています。新鮮なシラエビは甘みがあり、寿司、天ぷら、吸い物、えび団子、昆布締めなど、さまざまな料理に利用されます。一部の料亭では、福団子と呼ばれる料理に使われ、1個の団子には200匹ものエビが使用されます。これらの団子は丁寧に調理され、香ばしくもっちりとした食感が楽しめます。

シラエビは富山県の新たな名物となり、多くの商品が開発されました。例えば、「白えび天丼」、「白えびのむき身(刺身)」、「白えびせんべい」、「白エビバーガー」などがあります。

また、射水市の新湊漁港では2020年から、シラエビ漁を観光船から間近で見学できるツアーが提供されています。これにより、訪れる人々がシラエビ漁の現場を体験できるようになり、地域の観光資源として活用されています。

シラエビは、オキエビ科に属するエビの一種で、食用として漁獲されています。シロエビ、ベッコウエビ、ヒラタエビなどとも呼ばれることがありますが、注意が必要です。標準和名の「シロエビ」は別種のエビを指すこともあり、方言によってはさまざまなエビを指すことがあるためです。

富山県では一般的に「白えび(シロエビ)」と呼ばれ、沿岸地域では「ヒラタエビ」とも呼ばれます。1996年にはブリやホタルイカと並び「富山県のさかな」として指定されています。

シラエビは体長が約50から80 mmほどで、サクラエビよりも大きく、わずかに平らな体型を持っています。体色は透明で、わずかにピンク色がかっていますが、死ぬと乳白色に変わります。このエビの名前はその透明で白い体色に由来しています。

サクラエビに似ているが、重要な違いがあります。サクラエビはメスが卵を産まず、受精卵を海中に放出するのに対し、シラエビはメスが卵を腹肢に付着させて保護する仲間に属します。

シラエビは日本沿岸に生息し、日本海側では富山湾、太平洋側では遠州灘、駿河湾、相模湾で見られます。しかし、商業的な漁獲は富山湾に限られています。深海で群れを作り、昼間は水深150から300メートルに生息し、夜になると水深100メートル以下に上昇することが観察されています。

別名     ヒラタエビ、シラエビ
旬     4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 

Information

名称
白えび
(しろえび)

富山市周辺・八尾

富山県