みくりが池は、立山黒部アルペンルートの標高2405メートルに位置する立山火山の池です。この池は、室堂ターミナルから整備された遊歩道を歩いて約10分の場所にあり、室堂を代表する最大かつ最も深い池です。
みくりが池は約1万年前に形成された火山湖で、池の周囲は約630メートルで、水深は約15メートルです。
6月までは雪に覆われていますが、7月から10月にかけては美しい紺碧の澄んだ水面に立山の3,000m級の山々の姿が映ります。
秋には紅葉との美しいコラボレーションが楽しめます。池の周辺にはベンチが設置されており、みくりが池を眺めながらゆっくりと休憩することができます。
北アルプスで最も美しい火山湖と称されていて、その神秘的な湖の景色を見に観光客が絶えません。
みくりが池周辺は高山植物の種類も豊富であり、湖畔にはハイマツが茂り、運が良ければ富山県の県鳥で特別天然記念物であるライチョウ(雷鳥)に出会うこともできるかもしれません。
その青く澄んだ湖面にはが映し出され、絶景となっています。
ミクリガ池は、富山県中新川郡立山町にある池で、標高2,405 mに位置しています。通常は「みくりが池」とひらがなで表記されますが、地形図や看板では片仮名の「ミクリガ池」とも表記されます。
この池は室堂から北西へ約500mの場所にあり、室堂で最も大きく深い池です。面積は約30,000m2、深さは15mで、周囲の長さは631mです。
また、池の北西の標高2,430m地点には日本最高所の温泉宿であるみくりが池温泉があります。
春の雪解け期には完全に凍結しており、夏のシーズンにも氷結が見られることがあります。秋には立山三山の紅葉が水面に映り、絶景の名所となります。
ミクリガ池は立山火山の火口湖であり、周辺にはミドリガ池やリンドウ池、血の池などの火口湖が点在しています。1984年には国立公園(中部山岳国立公園)の湖沼に指定されました。
周辺では、立山黒部アルペンルートの立山黒部貫光室堂駅から、地獄谷や他のミクリガ池を巡る遊歩道が整備されています。周辺はハイマツ帯であり、ライチョウの生息地となっています。ホテル立山やみくりが池温泉、室堂山荘などの宿泊施設や山小屋もあります。
みくりが池温泉は、日本一高い場所に位置する天然の温泉で、温泉の源泉は地獄谷から引湯されており、無加水・無加温の100%かけ流しの温泉となっています。
立山信仰
立山信仰の中では、ミクリガ池は立山地獄の一部である「八寒地獄」とされていました。一方で、「ミクリ」という名前は「御厨」とも書かれ、「神の厨房」という意味を持っていました。
この池の水は立山権現に捧げられ、立山権現に捧げる料理が作られる際に使用されていました。これは、立山信仰の二面性を示す一例であり、山や池などの景勝地が浄土信仰の対極である地獄と関連付けられる中で、反対の位置づけがされていたことを表しています。
また、この池の水は山岳修験者にとって神聖な水とされていました。
伝説
伝説によれば、越前国(現在の福井県の一部)の小山法師という修行僧が地獄谷を巡った後、この池を見て「この池は越前の百姓のため池程度のものだ」と笑いました。
これを聞いた室堂の僧である延命坊は怒り、法師に「ため池と言うなら、この冷たい水に入って泳ぐことぐらい平気でしょう」と言いました。
法師は腰の剣をゆっくりと抜き口に咥えて、一周泳いだ後に「涼しくなるし、お礼の言葉もない」と笑いました。
延命坊はからかうように「越前ではため池に剣を咥えて入るのか」と言うと、法師は剣を捨てて再び池に飛び込みました。
しかし、三周したところで神の怒りに触れ、湖に吸い込まれて沈んでしまいました。
それ以降、「御厨ガ池」と書かれていたものが、「三繰ガ池」とも書かれるようになったと言われています。
冬季閉鎖(12月~4月中旬)
無料
立山黒部アルペンルート室堂ターミナルから徒歩約10分