地獄谷は、富山県中新川郡立山町(旧国越中国)の室堂平に位置する火山地形帯で、標高2,300mにあります。この地域は立山火山の最後の活動によって、みくりが池などとともに形成されました。室堂平トレッキングの観光ポイントの一つとして知られていますが、現在は火山性ガスの危険により立ち入りが禁止されています。
地獄谷はその名の通り、火山性噴気帯が広がる場所で、かつては温泉宿も存在していました。しかし、2011年以降、噴気活動が活発化したため、地獄谷全域が立ち入り禁止となりました。現在では、周囲の宿泊施設が地獄谷の温泉を引湯して利用しています。
地獄谷の温泉は古くから知られていましたが、立山信仰においては「現実の地獄」として恐れられていました。源泉地帯には「八大地獄」と呼ばれる場所があり、悪事を働いた人々が落ちる地獄と考えられていたのです。
1947年に科学的な温泉分析が行われ、温泉としての利用が始まりました。同年、初の温泉付き山小屋「房治荘」が源泉地帯に建設され、1950年代には登山者や観光客向けの施設が次々と建てられました。
1954年に立山ケーブルカーが開業し、翌年には立山高原バスが弥陀ヶ原まで延伸されるなど、アクセスの利便性が向上しました。これに伴い、地獄谷周辺も観光地としての発展を遂げました。
火山性ガスの危険性が指摘される中、地獄谷の源泉地帯にあった山小屋や診療所は徐々に撤去され、1975年以降は新しい場所へ移転されました。その後、2011年の噴気活動の活発化を機に、現在に至るまで通年通行禁止となっています。
地獄谷へは立山黒部アルペンルートを利用するのが一般的です。以下の手段でアクセスできます。
室堂駅からの道は石畳の遊歩道で、特に「みくりが池温泉」以降は道幅が狭く、アップダウンも多くなります。悪天候や霧が発生する際には注意が必要です。
地獄谷周辺は火山性ガスの影響を受けやすく、風向きによって危険が生じる可能性があります。そのため、風向きを示す吹き流しが設置されており、観光客への注意喚起が行われています。また、積雪期には冬山装備が必須です。
地獄谷の源泉を引湯した4軒の温泉宿が室堂周辺に点在しています。それぞれ、旅館と山小屋の要素を兼ね備えた宿泊施設で、以下の特徴があります。
地獄谷は火山活動の自然の力を感じられる特別な場所です。現在は立ち入りが禁止されていますが、周囲の温泉宿では地獄谷の源泉を楽しむことができます。訪れる際は安全対策をしっかり行い、自然の魅力を堪能してください。