本江遺跡は、富山県滑川市本江589に位置する複合遺跡です。この遺跡は縄文時代後期から古墳時代初期にかけての重要な遺構が残されており、富山県指定史跡に指定されています。その歴史的価値から、地域の文化遺産として多くの注目を集めています。
本江遺跡は郷川左岸の隆起扇状地末端部にある台地上に広がっています。その範囲は滑川市本江から中新川郡上市町広野新にまたがり、上市町側では「広野新遺跡」と呼ばれています。このため、かつては「本江・広野新遺跡」という名称で知られていました。
本江遺跡は縄文時代後期と古墳時代初期の遺構が混在する複合遺跡です。特に注目されるのは、古墳時代に建てられた竪穴建物跡の存在です。3棟の建物跡が確認されており、1号建物跡は外壁平面形が五角形をしており、その内側に方形掘り込みを伴い、中心に炉が設けられているという特徴的な構造を持っています。この構造は全国的にも珍しく、富山県内で初めて発見された例です。
本江遺跡が発見されたのは、第二次世界大戦後と考えられています。具体的には、1970年(昭和45年)8月、上市町広野新で圃場整備工事中に作業員が偶然、縄文土器の破片を発見しました。
翌1971年(昭和46年)4月には、滑川市本江地内の畑や農業用水で、地元の小学生3人が縄文土器や石器を発見したことがきっかけで、本格的な発掘調査が開始されました。
その後、1972年(昭和47年)2月26日に富山県指定史跡となり、保護活動が進められました。一部が水田となったものの、竪穴建物跡などの遺構は保存され、案内板が設置されるなど整備が進められました。1975年(昭和50年)5月15日には遺跡公園として整備され、地域住民や観光客が歴史を感じられる場所となりました。
本江遺跡公園では、竪穴建物跡や案内板を通じて、古代の生活の様子を感じることができます。特に五角形の竪穴建物跡は、全国的にも珍しい構造として歴史ファンや研究者から注目されています。
遺跡公園は地元の学校や地域団体による学習の場としても活用されており、子どもたちに縄文時代や古墳時代の文化を伝える貴重な教育資源となっています。
本江遺跡へのアクセスは以下の通りです。
本江遺跡は、縄文時代から古墳時代にかけての複合遺跡として、富山県の歴史や文化を物語る重要な場所です。その保存状態や整備状況からも、地域の歴史を学ぶための貴重な場となっています。滑川市を訪れた際には、ぜひ足を運び、古代の生活や文化に触れてみてください。