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射水市 新湊博物館

(いみずし しんみなと はくぶつかん)

射水の歴史と文化に出会う場所

射水市新湊博物館は、富山県射水市鏡宮に位置する公立博物館です。1998年(平成10年)に「新湊市博物館」として開館し、2005年の市町村合併により現在の名称となりました。国道8号と国道472号が交差する鏡宮交差点近く、道の駅まるごと射水の北側に隣接しており、観光の途中に立ち寄りやすい立地も魅力のひとつです。

本館は鉄筋コンクリート造り平屋建てで、やわらかな曲線を生かした外観と、水庭に囲まれた静かな佇まいが印象的です。田園風景と調和した建築空間は、訪れる人の心を落ち着かせ、ゆったりと歴史や芸術に向き合える環境を整えています。

むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく

当館の運営方針は「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをおもしろく」。専門的で奥深い内容も、写真や映像、模型などを活用しながら、子どもから大人まで理解しやすい形で紹介しています。

展示は大きく三つの領域に分かれています。第一に、地域の歴史・民俗・文化を紹介する常設展示。第二に、国指定重要文化財である石黒信由関係資料を中心とした展示。第三に、さまざまなテーマで開催される企画展示です。訪れるたびに新たな発見があり、学びと感動が広がります。

国指定重要文化財「石黒信由関係資料」

博物館の中核をなすのが、江戸時代後期に射水郡高木村(現在の射水市高木)に生まれた和算家・測量家である石黒信由と、その後を継いだ四代にわたる資料群です。これらは「高樹文庫」と呼ばれ、和算、測量術、天文暦学、航海術に関する書籍や古文書、地図、測量器具など約1万2千点が所蔵されています。

なかでも6,392点が国の重要文化財に指定されており、著述稿本類、文書記録類、地図類、測量器具など多岐にわたります。主著『算学鉤致』や、加賀藩の依頼で作成された「加越能三州郡分略絵図」は、現在の地図と比べても高い精度を誇る貴重な史料です。

信由は新田開発や河川改修の実測に携わり、その技術は藩から高く評価されました。同時代の測量家伊能忠敬とも交流があり、測量器具の改良などを通して、より精度の高い地図づくりに挑戦しました。館内では、絵図が完成するまでの工程や測量技術の工夫を、実物資料とともにわかりやすく紹介しています。

人間国宝・石黒宗麿の芸術世界

射水市久々湊出身の陶芸家石黒宗麿は、1955年(昭和30年)に重要無形文化財「鉄釉陶器」の保持者として人間国宝第1号に認定された陶芸家の一人です。当館では、代表作「釉彩干柿文壺」をはじめ、陶芸作品や書画、スケッチブック、書簡など多数を収蔵しています。

宗麿の作品は、気品と遊び心を兼ね備えた独自の美しさが魅力です。年に数回開催される呈茶会では、寄贈作品を実際に用いる機会もあり、芸術をより身近に体験することができます。

港町・放生津の歴史と民俗

常設展示室では、中世港湾都市として栄えた放生津(現在の新湊地区)の歴史も紹介しています。鎌倉時代には越中守護所が置かれ、室町時代には将軍を迎えるなど、政治・経済の拠点として繁栄しました。

北前船に関する資料や、放生津曳山祭、築山神事などの民俗文化、潟湖と水郷地帯に囲まれた暮らしの様子を、ジオラマや実物資料でわかりやすく展示しています。海と水に育まれた町の歴史が、立体的に感じられる内容です。

体験と学びの場「はかろっと広場」

館の西側には、測量体験ができる「はかろっと広場」が整備されています。江戸時代の測量道具の複製を使い、実際に距離や角度を測るワークショップを開催。理論だけでなく体験を通じて理解を深めることができます。

学校教育との連携も積極的に行い、子どもたちが郷土の歴史に親しむ機会を提供しています。地域の未来を担う世代に、ふるさとの誇りを伝える大切な場となっています。

貴重な収蔵品の数々

館内には、石黒家資料や石黒宗麿作品のほかにも、多彩な文化財が収蔵されています。江戸後期に製作された岩橋善兵衛作の望遠鏡や、放生津城出土品、郷土ゆかりの美術作品など、学術的にも高い価値を持つ資料が並びます。

調査研究活動も活発に行われており、新たな歴史的発見が報告されることもあります。博物館は、展示の場であると同時に、地域史研究の拠点でもあります。

利用案内

開館時間は9時から17時まで(入館は16時30分まで)。休館日は毎週火曜日、祝日の翌日、年末年始です。観覧料は一般310円、中学生以下は無料となっています。

北陸自動車道小杉ICから車で約10分。あいの風とやま鉄道小杉駅・越中大門駅からは射水市コミュニティバスを利用し、「カモンパーク新湊」下車徒歩1分です。

射水を“まるごと”楽しむ旅へ ― 道の駅まるごと射水

博物館に隣接する道の駅まるごと射水は、射水の食と魅力を体感できる観光拠点です。1998年に「道の駅カモンパーク新湊」として開業し、2025年11月にリニューアルオープンしました。

“富山湾の宝石”と称される白エビや、射水特産のサクラマスを使った料理が味わえる「いみずキッチン」や「いみずCAFE」、地元産品を豊富にそろえた物産館などがあり、旅の楽しみを一層広げてくれます。

キッズエリアやオープンテラスも整備され、家族連れやペット同伴でも快適に過ごせます。博物館で歴史を学び、道の駅で食を楽しむ――射水ならではの充実した時間をお過ごしいただけます。

ゆっくりと歴史と芸術に触れるひととき

射水市新湊博物館は、地域の歴史と文化を未来へ伝える拠点です。国指定重要文化財をはじめとする貴重な資料との出会いは、訪れる人に新たな発見と感動をもたらします。

静かな水庭に囲まれた空間で、ゆっくりと歴史と芸術に触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。射水の魅力を、やさしく、ふかく、おもしろく体感できる場所として、多くの方のご来館をお待ちしています。

Information

名称
射水市 新湊博物館
(いみずし しんみなと はくぶつかん)

高岡・氷見

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