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高岡市 鋳物資料館

(たかおかし いもの しりょうかん)

鋳物のまちの歴史を今に伝える小さな博物館

高岡市鋳物資料館は、石畳が美しい金屋町の街並みの中に佇む、民家を改修して誕生した資料館です。2007年(平成19年)4月27日に開館し、2013年(平成25年)3月20日には改修を経てリニューアルオープンしました。館内では、高岡鋳物の歴史や製造技術を物語る数多くの資料が展示されており、伝統産業の歩みを身近に感じることができます。

館内は無料ゾーン有料ゾーンに分かれており、無料ゾーンでは鋳物づくりに欠かせない道具や鋳型などを展示しています。木板をシーソーのように踏んで炉に風を送る「たたら踏み」や、箱吹子(はこふいご)といった伝統的な送風装置を体験できるのも魅力です。有料ゾーンでは、製造道具をはじめ、日用品の鋳物から美術工芸品、歴史資料まで幅広く紹介されています。

なお、所蔵する1,561点の資料は「高岡鋳物の製作用具及び製品」として、2011年(平成23年)3月9日に国の登録有形民俗文化財に登録されました。貴重な文化財を通して、高岡鋳物の奥深い世界に触れることができます。

金屋町 ― 高岡鋳物発祥の地

富山県高岡市中心部に位置する金屋町は、高岡鋳物発祥の地として知られています。1609年(慶長14年)、加賀藩主・前田利長が高岡城を築き城下町を開いた際、町の繁栄策として1611年に7人の鋳物師を招き、この地に鋳物場を開かせました。以来、約400年にわたり鋳物産業が受け継がれてきました。

町の中央を南北に走る金屋町通りには、細やかな千本格子造り(さまのこ)の家々が軒を連ね、約500メートルにわたって石畳の道が続きます。石畳にはハートや星形の銅片が埋め込まれており、散策しながら探す楽しみもあります。2012年(平成24年)12月28日には、鋳物師町として全国で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。

職住一体の町並み

金屋町の敷地は奥行きのある短冊形で、道路に面して主屋、その奥に中庭、さらに土蔵や作業場が配置されています。これは、鋳造作業による火災から住居を守るための工夫でした。白漆喰の壁と格子戸が織りなす景観は、歴史と文化の香りを今に伝えています。

山町筋 ― 商人文化が息づく町

金屋町から徒歩約10分の場所にある山町筋は、商人の町として発展した地区です。土蔵造りの重厚な建物が立ち並び、1900年の大火以降、防火意識の高い建築様式が取り入れられました。毎年5月1日に開催される高岡御車山祭では、豪華絢爛な御車山が巡行し、町は大きな賑わいを見せます。

また、リノベーションされた複合施設「山町ヴァレー」では、飲食やショッピングを楽しむことができ、伝統と現代が調和する空間として人気を集めています。

鋳物文化を体感できる周辺スポット

金屋緑地公園

千保川沿いに広がる公園で、前田家の家紋「梅鉢紋」を模した形が特徴です。高岡鋳物発祥の碑や歌碑などが設置され、散策にも最適な場所です。資料館の無料展示ゾーンを通り、石畳の街並みに抜けることもできます。

旧南部鋳造所のキュポラと煙突

1924年(大正13年)に建造された西洋式溶鉱炉「キュポラ」とレンガ造りの煙突が現存しています。2001年(平成13年)には国の登録有形文化財に登録されました。近代化の歩みを物語る産業遺産として貴重な存在です。

ウランガラス鋳芸館

2020年(令和2年)に開館した美術館で、ブラックライトに照らすと黄緑色に輝くウランガラス作品を展示しています。高岡の鋳造技術を活かした仏像などもあり、幻想的な空間が広がります。

鳳鳴橋

千保川に架かる橋で、両歩道中央には金色の鳳凰像が設置されています。夜にはライトアップされ、幻想的な景観を楽しめます。橋の名称は、中国の詩経の一節「鳳凰鳴けり、彼の高き岡に」に由来しています。

祭りと伝統行事

御印祭(ごいんさい)

毎年6月19日・20日に行われる祭りで、前田利長の遺徳を偲びます。鋳物作業唄「弥栄節(やがえぶし)」に合わせて町流しが行われ、町全体が活気に包まれます。重労働であったたたら踏みのリズムに合わせて歌われた唄は、今も大切に継承されています。

ふいご恵比須講祭

毎年11月8日に有礒正八幡宮で行われる祭礼で、鋳造式という神事が執り行われます。鋳物の町ならではの伝統行事として、多くの人々に親しまれています。

アクセス情報

能越自動車道高岡ICから車で約10分、JR新高岡駅から車で約10分、高岡駅から車で約5分。あいの風とやま鉄道高岡駅から徒歩約20分、加越能バス「金屋」下車徒歩約2分と、アクセスも良好です。

歴史とものづくりの魅力に触れる旅へ

高岡鋳物の歴史は、日用品の鍋や釜づくりから始まり、やがて仏具や花器、さらには海外へ輸出される美術工芸品へと発展しました。金屋町と山町筋を歩けば、ものづくりの精神と町人文化が息づく風景に出会えます。

高岡市鋳物資料館を中心に、歴史ある町並みや文化財、祭りや体験工房などを巡ることで、高岡の魅力をより深く感じることができるでしょう。ぜひゆっくりと散策し、400年の伝統が織りなす「ものづくりの町」の息吹をご体感ください。

Information

名称
高岡市 鋳物資料館
(たかおかし いもの しりょうかん)

高岡・氷見

富山県