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じゃんとこい魚津まつり

(うおづ)

魚津の夏を彩る最大の祭典

じゃんとこい魚津まつりは、富山県魚津市で毎年8月第1金曜日から日曜日にかけて開催される、魚津市最大の夏祭りです。海の守護神を祀る諏訪神社周辺や、海岸沿いのしんきろうロード、市内中心部を舞台に、勇壮な「たてもん祭り」、幻想的な「海上花火大会」、華麗な「せり込み蝶六踊り街流し」など、多彩な行事が繰り広げられます。

「じゃんとこい」とは、魚津を代表する民謡せり込み蝶六の囃子ことば(合いの手)で、「たくさん来てください」という願いが込められた言葉です。その名のとおり、祭り期間中は市内外から多くの来訪者が訪れ、魚津のまちは一年で最も熱気に包まれます。

祭りの歴史と歩み

この祭りの起源は、1970年(昭和45年)に始まった「魚津観光まつり」にさかのぼります。1987年(昭和62年)から現在の名称である「じゃんとこい魚津まつり」となり、魚津の夏の象徴として定着しました。

かつては8月7日から3日間の開催でしたが、観光客の増加や担ぎ手確保の事情を踏まえ、2007年(平成19年)より現在の日程へと変更されました。2020年には新型感染症の影響で曳き回しが中止となりましたが、神事は継続され、地域の祈りの灯は絶やされることなく守られました。

メイン行事① たてもん祭り ― 海の男たちの勇壮な祈り

たてもん祭りは、諏訪神社の夏季祭礼であり、祭りの中心を担う伝統行事です。高さ約16メートルの大柱に90余りの提灯を三角形に吊り下げ、総重量約5トンのそり台に立てた舟型万燈「たてもん」を、80人以上の若衆が威勢よく曳き回します。

その姿は帆を掲げた漁船を模しており、航海の安全と大漁を祈願する意味が込められています。夕刻になると7基のたてもんに灯りがともり、諏訪神社境内へと集結。くじ引きで順番を決め、境内で豪快に回転させます。提灯の光が円を描き、柳状の飾りが揺れる様子は幻想的で、観客の歓声とともに祭りは最高潮を迎えます。

この行事は1997年に国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。約300年続く伝統行事として、魚津の誇りとなっています。

たてもんの構造と見どころ

心柱の上部には八角行燈が据えられ、神の依代とされます。提灯には縁起の良い図柄が描かれ、町内ごとに特色があります。組み立てには釘を一切使わず、漁師独特の縄結びで組み上げられる点も見逃せません。

メイン行事② 海上花火大会 ― 海と夜空を染める光の競演

魚津港沖の台船から打ち上げられる海上花火大会は、新川地区最大級の規模を誇ります。約2,000発(記念年には約5,000発)の花火が夜空と海面を彩り、海岸線に広がるしんきろうロードからは迫力満点の景色を楽しめます。

周囲に高い建物が少ないため、視界を遮ることなく花火を堪能できるのが特徴です。海面に映る光が揺らめき、ロマンチックな雰囲気に包まれます。たてもん祭りの灯りと同日に重なることもあり、魚津ならではの夏の絶景が広がります。

メイン行事③ せり込み蝶六踊り街流し ― 極楽蝶の舞

祭り最終日の夕刻、市内中心部の通りを舞台に行われるのが「せり込み蝶六踊り街流し」です。江戸時代から伝わる民謡「せり込み蝶六」の音頭に合わせ、約2,500〜3,000人が踊り流します。

両手に日の丸の扇子を持ち、激しいリズムに合わせて舞う姿は、まるで極楽蝶のよう。踊りの基本は「踊躍歓喜(ゆやくかんぎ)」という念仏・祈り・感動・喜びを表す精神にあります。

唄には三味線、胡弓、太鼓、鉦が用いられ、「じゃんとこーい」という囃子が響き渡ります。保存会による生唄と生演奏が祭りを締めくくり、審査発表と表彰が後日行われます。

伝統文化の継承

市内の小学校ではせり込み蝶六が授業で教えられており、多くの市民が自然に踊ることができます。地域ぐるみで守られてきた文化が、世代を超えて受け継がれているのです。

UO!JAZZ ― 海辺のサンセットライブ

2017年から始まった「UO!JAZZ」は、夕日と海風の中で楽しむジャズイベントです。伝統行事に現代の音楽文化が融合し、新たな魅力を生み出しています。沈みゆく夕日を背景に響く音色は、訪れる人々の心を穏やかに包み込みます。

その他の関連行事

経田七夕まつりや灯篭流しなども行われ、まちは終日祭り一色となります。また春には「よっしゃ来い!!CHOUROKUまつり」が開催され、せり込み蝶六をアレンジした踊りやたてもんの曳き回しが行われています。

魚津の夏を体感する旅へ

じゃんとこい魚津まつりは、海・祈り・音楽・踊りが融合した、五感で楽しむ総合祭典です。提灯の光、花火の轟音、囃子の響き、若衆の掛け声――そのすべてが魚津の歴史と情熱を物語ります。

魚津を訪れるなら、ぜひ8月第1週の週末に足を運んでみてください。「じゃんとこい!」の掛け声とともに、忘れられない夏の思い出が待っています。

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名称
じゃんとこい魚津まつり
(うおづ)

黒部・宇奈月

富山県