富山県 > 砺波・五箇山 > おやべホワイトラーメン
おやべホワイトラーメンは、富山県小矢部市で地域おこしの一環として誕生したご当地ラーメンです。富山県といえば、全国的に知られる「富山ブラックラーメン」の濃い色合いと強い味わいが有名ですが、小矢部市が打ち出したのは、対照的ともいえる真っ白な豚骨スープを特徴としたラーメンでした。
あっさりとした白いスープに、コクのある肉味噌を溶かしながら味わうスタイルは、見た目のインパクトだけでなく、優しく奥深い味わいで多くの人を魅了しています。現在では小矢部市を代表するB級グルメとして、市内外から訪れる観光客に親しまれています。
おやべホワイトラーメン誕生のきっかけは、2010年に富山県入善町で考案された「入善ブラウンラーメン」でした。全国的な知名度を誇る富山ブラックに対抗し、地域独自のラーメンで町おこしを目指すこの取り組みに刺激を受け、小矢部市商工会青年部が中心となって動き出します。
そして2012年、小矢部市が実施したご当地グルメ研究開発事業の委託を受け、試行錯誤の末に完成したのが「おやべホワイトラーメン」です。単なる模倣ではなく、小矢部ならではの食材や発想を取り入れた点が高く評価され、地域に根付いた新たな名物として定着していきました。
おやべホワイトラーメンを名乗るためには、明確な3つの条件が定められています。これにより、どの店舗で食べても「おやべホワイトラーメン」としての個性と統一感が保たれています。
① 白い豚骨スープを使用すること
濃厚すぎず、さらりとした口当たりの白濁した豚骨スープが基本です。臭みが少なく、飲み干せるほど優しい味わいが特徴です。
② 肉味噌がトッピングされていること
甘みとコクを持つ肉味噌は、おやべホワイトラーメンの要ともいえる存在です。スープに少しずつ溶かしながら食べることで、味の変化を楽しめます。
③ 小矢部産の食材を1つ以上使用すること
地元産の豚肉、野菜、卵などを使うことで、地域とのつながりを大切にしています。
おやべホワイトラーメンの最大の魅力は、あっさりとした白い豚骨スープと、コク深い肉味噌が織りなす絶妙なバランスにあります。最初はそのままスープの優しい旨みを味わい、途中から肉味噌を溶かすことで、徐々に味が変化していく楽しさがあります。
脂っこさを抑えたスープは、老若男女問わず食べやすく、観光で訪れた人にも「最後まで飲み干せる豚骨ラーメン」として好評です。
おやべホワイトラーメンを代表する提供店のひとつが、道の駅メルヘンおやべ内のフードコート「メルヘン田舎」です。開放感のある大きな窓からは、緑豊かな景色を眺めながら食事を楽しむことができます。
ここで提供されるおやべホワイトラーメンは、白い豚骨スープに、肉味噌、ネギ、メンマ、ゴマをトッピング。さらに、小矢部の特産品である卵や、小矢部産ブランド豚「メルヘンポーク」のチャーシューが添えられています。
スープはさらりとした質感で、口当たりは非常に優しく、肉味噌の甘みと旨みが溶け合うことで、最後まで飽きずに楽しめる一杯となっています。
フードコート「メルヘン田舎」では、ホワイトラーメン以外にも、小矢部ならではのご当地メニューが豊富に揃っています。
火牛定食や源平火牛煮込みうどんなど、源平合戦ゆかりの地としての歴史を感じさせるメニューも人気です。また、一晩かけてじっくり煮込んだもつ煮や牛すじ煮も、多くの来場者に親しまれています。
メニュー数は約60種類と非常に多く、地元産の肉や野菜、玉子をふんだんに使用している点も、観光客にとって嬉しいポイントです。
現在、おやべホワイトラーメンは市内の飲食店30店舗以上で提供されており、スーパーなどでも商品として販売されています。また、ファミリーマートからは北陸地区限定で「冷しホワイトラーメン」が発売されるなど、その知名度は着実に広がっています。
入善町、小矢部市、高岡市では、それぞれ色の名前を冠したご当地ラーメンが開発されており、これらを連携して全国へPRするため、2014年夏に富山県カラーらーめん協議会が結成されました。
「カラーラーメンによる地域おこし」という共通の目標のもと、各地のラーメンが互いに切磋琢磨しながら、富山の食文化の魅力を発信しています。
富山ブラック
高岡グリーンラーメン
入善ブラウンラーメン
入善レッドラーメン
おやべホワイトラーメンは、単なるご当地グルメにとどまらず、小矢部市の食材、歴史、そして人々の思いが詰まった一杯です。観光で小矢部市を訪れた際には、ぜひ現地で味わい、その優しい味わいと背景にある物語を感じてみてください。
白いスープに込められた、小矢部ならではの魅力が、きっと旅の思い出をより深いものにしてくれることでしょう。