年間の昆布消費量が全国一位を誇る富山県は、北前船文化の影響を色濃く受け継ぐ地域です。その歴史の中で生まれ、地元の人々に親しまれてきたのが昆布餅です。餅に細切り昆布を練り込んだ素朴な一品で、富山県民にとっては昔からなじみ深い“ソウルフード”のひとつです。
昆布餅は、餅をつく際に塩の代わりとして昆布を加えるのが特長です。細切りの日高昆布を使用することで、ほどよい塩味と豊かな旨みが生まれます。焼き上げると外はこんがり、中はもっちりとした食感となり、昆布の風味がより一層引き立ちます。通常はそのまま焼いて、おやつとして楽しまれています。
富山県は西日本に位置しますが、昆布餅は東日本文化を感じさせる四角い形をしています。こうした形状にも、歴史や文化の交流が感じられ、食を通して地域の歩みを知ることができます。
日の出屋製菓(ささら屋)の昆布餅は、富山県産「新大正もち米」を100%使用しています。「幻のもち米」とも称されるこの品種は、なめらかな食感と米本来の豊かな甘みが特長です。丸粒のもち米からおこわを作り、機械の杵で100回以上つくことで、粘りとコシの強い、絹のようになめらかな餅に仕上げています。
オーブントースターを使用する場合は4~5分ほど加熱し、表面がふくらんできたら食べ頃です。ホットプレートの場合は200℃程度で両面がきつね色になるまで焼いてください。昆布の塩味がほどよく効いているため、焼きたてをそのまま召し上がるのがおすすめです。
富山を訪れた際には、ぜひ昆布餅を味わい、北前船文化が育んだ食の伝統に触れてみてください。素朴ながら奥深い味わいが、旅のひとときをやさしく彩ってくれることでしょう。